中小企業診断士を活かした副業
中小企業診断士を取得したら、副業に活かして年収アップしたい!と思われる方も多いと思います。司法書士や行政書士などのいわゆる士業の中で、独占業務がないのが中小企業診断士。副業には不利…?と思われるかもしれません。中小企業診断士の資格を活かせる副業についてまとめてみました。これから取得予定の人も、取得した人も、参考になれば幸いです!
中小企業診断士を活かした副業一覧
・診断業務
・経営支援業務
・調査研究業務
・講演・教育訓練業務
・執筆業務
・その他
中小企業診断協会によるアンケートの結果、回答者数1,892名のうち、上記一覧の「コンサルティング業務」を行っている方は65.7%でした。会社員の方で資格を取得したものの、コンサルティング業務そのものは行っていない方が34.3%いらっしゃるようです。また、独立開業している方の割合は、47.8%と約半数の方が独立されています。独占業務がないことがネックと言われますが、独立されている方も多いですね。
回答数の内訳や、それぞれの業務にかかる平均日数/年間などのデータもありました。
業務 | 回答数 | 平均日数 |
---|---|---|
診断業務 | 782 | 40.7 |
経営支援業務 | 976 | 82.5 |
調査研究業務 | 236 | 28.2 |
講演・教育訓練業務 | 563 | 19.8 |
執筆業務 | 270 | 20.0 |
その他 | 172 | 51.8 |
診断業務や経営支援業務の受注が一番多いようですね。その他の割合も多いのですが、どのような内容かは分かりませんでした。
また、クライアントは中小・小規模企業が9割を占めているようです。大企業から個人のコンサルタントが案件を受注することは難しいでしょうね。資格名も「中小企業診断士」なので、その名の通りの活躍をされているということでしょうか。
業務の内容にもよりますが、もっとも数が多い診断業務と経営支援業務について、副業として実施するなら数日で終了できる診断業務や補助金申請業務などが妥当でしょうか。補助金申請業務は、平日に数回のヒアリングや資料確認の時間が必要になりますが、資料作成自体は在宅で行うことができます。経営支援業務の中でも、数か月単位のプロジェクトや年間の顧問契約を結ぶような業務は副業として難しいかもしれません。
調査研究業務や執筆業務については、本業で働きながら、夜に資料作成や執筆業務を実施すれば良いので副業に適した業務と言えそうです。講演・教育訓練業務についても講師として1日講演することが多くなると思われます。スポットで働くことができ、業務量の調整もしやすいため、副業に適していると言えるでしょう。
また、中小企業診断士の資格を持っていることで、中小企業診断士の予備校や通信講座などの講師採用にも応募できるようになります。通学型の予備校講師を副業で行うのは難しそうですが、通信講座であれば映像講義の撮影を休日にして、テキストの執筆をリモートで行うことが出来るので副業でも可能でしょう。
平日に動くことのできる中小企業診断士の仲間がいるのであれば、チームを組んで業務を分担することで、副業としては実施しづらい業務にも対応できるかもしれません。一人での副業に限界を感じたら、チームで行うことも検討しましょう。
副業に「適した」業務
・(数日で終わる)診断業務
・補助金申請業務
・講演会、セミナー講師
・中小企業診断士の映像講義講師、テキスト執筆
・調査研究資料作成、論文執筆
中小企業診断士 コンサルティング業務の平均報酬
副業を検討している方の多くが、年収アップや本業のリスクヘッジを期待していると思われます。コンサルティング業務の平均報酬が中小企業診断協会のアンケート結果にありますので、下にまとめました。
公的業務中心の報酬
業務 | 平均報酬(千円/日) |
---|---|
診断業務 | 37.7 |
経営支援業務 | 37.5 |
調査研究業務 | 53.6 |
講演・教育訓練業務 | 48.1 |
執筆業務 | 7.8/400字 |
その他 | 29.5 |
民間業務中心の報酬
業務 | 平均報酬(千円/日) |
---|---|
診断業務 | 98.3 |
経営支援業務 | 112.5 |
調査研究業務 | 89.7 |
講演・教育訓練業務 | 119.0 |
執筆業務 | 6.4/400字 |
その他 | 61.0 |
公的業務中心の方と民間業務中心の方で、かなり報酬額に差があります。とはいえ、公的業務中心の方の報酬も、日給3万円~5万円ですから、副業として考えると相当良い報酬に感じられるのではないでしょうか。
平均報酬だから何とも言えないな…と思った方もいらっしゃるかもしれません。元の資料には、「最高報酬額」も掲載されていましたが、平均報酬から2、3万円高くなる程度でしたので人によって報酬額に大きな差があるわけではなさそうです。ある程度の相場があり、大きく乖離しないということでしょう。公的業務か民間業務か、の違いの方が大きそうです。
まずは中小企業診断士として登録して公的業務をこなしながら経験を積むことで、民間業務を受注できるようになっていけば良いでしょう。副業からスタートして、軌道に乗れば独立開業する、といった理想的な展開も望めそうです。資格の力はやはりすごいですね!