中小企業診断士の勉強方法 2次試験対策概要

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中小企業診断士の勉強方法 1次試験 科目別対策

これまでに1次試験の科目別対策をまとめています。是非、そちらもご覧ください。

中小企業診断士 2次試験対策概要

中小企業診断士 2次試験の合格率

中小企業診断士の1次試験は7科目と多く、1次試験を合格するのはかなり難しいです。1次試験を合格しないと2次試験に進めませんから、まずは1次試験の対策に注目しがちなのは分かります。そのためでしょうか、1次試験対策についてまとめられた記事はよく見ますが、2次試験の勉強方法についてまとめられた記事はあまり見かけません。

1次試験に比べて、2次試験は簡単だから特別な対策が必要ない…なんてことはありません。少なくとも何の対策もせずに合格することは不可能でしょう。実際の数値を見ても2次試験の難しさが分かります。R3(2021)年度試験の2次試験の合格率は18.3%です。ここ数年の結果を見ても同じ程度の合格率ですね。

苦労して1次試験に合格しても、2次試験で不合格となる可能性は80%を超えています。合格率だけで言えば、2次試験も十分難関試験と言えるでしょう。

中小企業診断士 2次試験は何が難しいのか

中小企業診断士の勉強方法 2次試験 難易度

2次試験の科目は4つあります。

【事例Ⅰ】組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅱ】マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅲ】生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
【事例Ⅳ】財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例

個人的に最も難しいと感じたのは「事例Ⅳ」でした。1次試験の財務・会計では、過去問演習をして70点~80点を安定して取ることが出来ていました。基礎知識はある程度ついている状態と思っていましたが、2次試験の過去問を解くと、はじめは40点~50点程度しか取れず、かなり難しく感じました。

事例Ⅰ~事例Ⅲについては、コツを掴めると得点しやすく感じました。基本的には「速く文章を読解すること」と「与件文を要素分解し、どの設問にどの要素を使用するかを判断すること」、「要約して記述すること」ができるようになれば、得点できます。

多くが文章読解と要約の問題になりますが、助言や提案を求められる問題もあります。助言や提案を求められる問題では、与件文をヒントに自分なりに考え、答えを導く必要があります。この際に1次試験の知識を用いる必要があり、難易度が高い設問です。配点を見れば分かりますが、こうした設問で点数が取れないと合格は難しくなります。読解と要約だけで2次試験に合格することは不可能でしょう。

・事例Ⅰ~事例Ⅲは文章読解と要約がメイン。ただし、1次試験の知識を活用した助言、提案の設問は難易度が高く、対策が必要。
・事例Ⅳは1次試験の財務・会計で70点~80点を取れていても難しく感じる可能性が高い。

中小企業診断士 2次試験 事例Ⅰ~事例Ⅲの難易度と対策

事例Ⅰ~事例Ⅲは何が難しいのでしょうか。

まずは「与件文」と呼ばれる問題文の量の多さです。数ページに渡って、事例企業の状況説明があります。この文章量を何分で読み、情報を整理できるかが重要になります。もともと文章を読むのが速い人は有利ですね。多くの方は初めて過去問を解くと、時間が足りず十分な回答を作れません。

また、与件文ではどの業界の話が出てくるかは分かりません。予備知識がない業界であっても理解できるかどうか、SWOTを整理できるかどうか、キャッチアップの速さが求められます。普段から新しい情報に物怖じせず、どんどん知識を習得できる人は苦にならないかもしれません。

これらは正にコンサルタントとして必要なスキルです。コンサルタントはプロジェクトにアサインされると、これまでに経験のない業界や業種であってもインターネットや書籍などの情報を短期間で読み込み、業界の概要を理解します。クライアントからヒアリングした情報を理解・整理し、クライアントと同じレベルで課題を認識できるまで勉強しなくてはなりません。……1次試験よりも2次試験の方が、コンサルタントの実務に近いと言えますね。

少し脱線しましたが、文章読解、情報整理、といった力が必要になりますので意図的に普段から鍛えておいた方が良いでしょう。会社員でデスクワークをされている方であれば、会議の議事録を取る、提案書を作成する、などの業務を率先して行えば、必要な力を鍛えることが出来ます。

そうした業務がない場合は、1次試験の情報を100字程度で要約するといった訓練が有効です。例えば「事業ドメインとは何か?」といった質問に対して100字程度で答える、という訓練です。1次試験の知識も整理できるため、一石二鳥ですね。

文章読解、情報整理、要約などの力を普段から鍛えよう。議事録取りなど業務をこなしながら鍛えられると良い。難しい場合は、1次試験の知識を問う問題に対して100字程度で答える訓練をしよう。

事例Ⅰ~事例Ⅲは1次試験の知識を活用する設問もあります。事例Ⅰは企業経営理論で学んだ組織論、事例Ⅱは企業経営理論で学んだマーケティング論、事例Ⅲは運営管理で学んだ生産管理、店舗・販売管理です。

助言、提案などが求められる設問では、個人の独創的な発想が求められているわけではありません。むしろ、そのような回答が正答になるのであれば、筆記試験として成り立ちません。与件文を正しく読み取り、1次試験の知識があれば模範解答に近い回答を導き出せるようになります。

もちろん、個人の価値観によってどの要素を重く捉えるかは変わってきますから、記述問題の正答は一つではありません。ただ、予想されている解答から大きく乖離しなければ、少なくとも不合格点にはなりません。自分の考えに固執せず、客観的に、バランス良い回答が作れるように練習しましょう。

・1次試験の知識と与件文をヒントに回答を導こう。あくまで試験なので、独創的な発想は求められていない。

事例Ⅰ~事例Ⅲについては、過去問演習を3、4年分行いました。ある程度コツを掴めたら演習をやめてしまいました。コツを掴んでしまえば、「読解」「情報整理」「要約」の設問で安定して得点できるようになります。

その後は、助言、提案問題における自分の回答の「引き出し」を増やすために過去問の模範解答をぱらぱらと眺めていました。そうすると、「権限委譲」、「新部門設置」、「業務標準化」などの「使える」表現が何となく分かってきます。それらをメモにまとめ、自分が回答を作る際のアイテムとしてストックしておくと良いです。

・過去問演習をしてコツを掴もう。ある程度コツが掴めたらOK。
・過去問の模範解答を読み、「使える」助言、提案文を整理してストックしよう。

中小企業診断士 2次試験 事例Ⅳの難易度と対策

中小企業診断士の勉強方法 2次試験 難易度

事例Ⅳの問題はある程度パターン化されており、経営分析(財務指標の計算・分析、SWOT分析など)、CVP分析(損益分岐点の計算、分析)、キャッシュフロー計算、設備投資評価(NPV計算)などが出題されます。

個人的に難しいと感じたのは設備投資評価です。問題にすべての条件が記載されているわけではなく、どのタイミングで計上するかなど、過去問演習をしていて掴めきれない点が多かった印象です。

実際に、前提条件をどう捉えるかで模範解答も変わります。予備校が無料で模範解答をWeb上に公開していますが、異なる解答になっている場合があります。これが勉強しづらい大きな要因でした。考慮すべき前提条件が何か、条件が記載されていない場合はどのように処理するか、といったことを頭の中で明確に整理する必要があります。

そのため、これらを明確に整理しているテキストを使用し、問題演習においても別解を多く紹介している問題集を使用するのが良いです。

個人的に難しかった設備投資評価。前提条件や処理の仕方を整理し、別解が豊富に掲載されている問題集を使おう。

一方で、経営分析やCVP分析などは比較的点数が取りやすいです。

経営分析は代表的な財務指標を計算し、与件文をヒントに企業の強み・弱みを表す指標を選択して記述する問題が毎年出題されています。これは計算が正しく出来るなら、後は問題演習をしながらコツを掴めばそれほど難しくありません。また、SWOT分析は事例Ⅰ~事例Ⅲと同様に、与件文の読解、情報整理、要約が出来れば大丈夫です。

CVP分析については、1次試験の知識があれば大丈夫です。2次試験対策として特別に知識の補充をしませんでした。基礎がきちんと理解できていれば難易度はそれほど高くありません。ただ、1次試験と違って計算結果が綺麗な数値にならないため、試験中に不安になってしまいますが…。

経営分析、CVP分析などは1次試験の知識があればOK。過去問演習を繰り返せば点数は安定する。

中小企業診断士の勉強方法 2次試験 対策

過去問演習は事例Ⅳだけ10年分やりました。私の場合、最後まで不安だったのが設備投資評価でした。難易度の感じ方については、個人差があると思います。ご自身の苦手分野に時間をかけて反復練習してください。

事例Ⅳに関しては、専用のテキストや問題集を購入し、毎日問題演習をしている受験生が多いようです。

事例Ⅳは計算問題が中心ですので、得意科目にできれば点数が安定します。事例Ⅰ~事例Ⅲは模範解答もなく、演習をしても自分の点数が分かりづらいため不安に感じる受験生が多いようです。事例Ⅰ~事例Ⅲに自信がなければ、事例Ⅳの勉強を優先し、確実に点数が取れるようになるまで勉強すると良いでしょう。

・過去問演習は必須。1次試験よりも難易度は高いため、演習時間を十分にとること。
・事例Ⅳは計算問題であるため、点数が取れるようになれば安定しやすい。得意科目に出来ると強い。

勉強時間の目安

私の場合は1次試験合格後に2次試験の勉強を始めました。

平日は1次試験の企業経営理論、運営管理、財務・会計のテキストを眺めて、忘れている箇所を覚え直していました。早く帰れた日は過去問演習をしていました。

過去問演習は時間と労力がかかります。試験時間が80分ですから、演習に時間がかかりますし、かなり疲れます。2次試験は時間との勝負になりますから、大問1個ずつ演習する、といった方法は有効ではありません。そのため、まとまった時間が取れる休日に80分×2、3回解いていました。

最終的に、2次試験の勉強は約60時間でした。ほとんどの時間が過去問演習です。ただ、私の場合は本業に時間が取られ、平日に勉強がしづらい状況でした。本来であれば、事例Ⅳにもっと時間をかけて安心して受験できるまで力をつけたかったです。

実際に、本番では事例Ⅳで大きなミスをしてしまい、がくっと点数を落としました。何とか合格できたので良かったですが、出来ることならば100時間程度を使って万全な態勢で臨みたかったです。

勉強時間の目安は100時間程度。苦手科目を重点的に学習し、安心して臨めるようにしよう。

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